ある日常のお話

日常生活で感じたことをつらつら書き連ねるエッセイ風ブログです。Twitter:@ryusenji_narita

早起き

 

私は早起きが苦手だ。 

何もない日なら夜は3時くらいまでYouTubeまとめサイトを漁るし、その所為で起床は平気で10時をすぎてしまう。

昔から寝るのがなんか時間を無駄にしているような感覚がして、不安になり、つい夜更かしをしてしまう、完全な夜型の人間だった。

そんな私でも早起きに憧れていないわけではない。

朝早く起きることができた時のあのボーナス感は流石に嬉しい。

そういう日は心なしか体もシャキッとしてきて、柄にもなくランニングに出かけたり、お洒落な喫茶店でコーヒーを嗜みながら本を読んでみたりしたくなる。

どことなく心に優雅な生活を求める余裕が生まれてくる。

でも、実際には、「あ、まだ時間に余裕があるな」なんて考えながらYouTubeまとめサイトを漁っているうちに気づいたらもう10時、いつもと変わらない、なんてこともザラだ。

あの生産性のない無為な時間も意外と好きなのだけれど、何か惜しいことをしたような罪悪感めいたものが残ってしまう。

今日は久しぶりに早起きをすることができた。

というのも、実は昨日、友人の家に泊まり徹夜で話し込んでいたら、帰宅後に長い昼寝をとってしまって夜の睡眠がそんなに必要なかったからである。

徹夜の最中、お腹が空いてしまったので朝4時頃に友人と近くのコンビニに出かけた。

重い体に鞭打ち、エレベーターで1階におりて、眠い目をこすりながらマンションの自動ドアを抜けると、台風一過の清々しい青空が上空に広がっていた。

災害レベルだという猛暑も流石に朝の4時には猛威を振るわないらしく、夏とは思えないほど風の涼しい心地よい天気だった。

肺一杯に大きく息を吸い込む。

冷気が体に染み込む気がする。

空気は都会とは思えないほど澄んでいて、心なしか自然のいい匂いがした。

友人たちはそんな私をさして気にとめることなく先へ進む。

ほんの一瞬だけ私が社会から切り離されて、自然と一体化したような気がした。

寝ぼけ眼で妙にテンションの高い友人たちに追いつくため、私は人間に戻り、少し軽くなった体を走らせた。

そんな昨日の朝が忘れられず、今日の朝5時半に目覚めた体はいつもとは違い、もう6時には準備を終えて走り出していた。

天気は昨日ほどは涼しくなく、太陽も雲に覆われて姿を隠していたが、体はこれから始まる優雅な1日に胸を躍らせ、かえって昨日よりも一層浮き足立っていた。